対向スピーカの振動打消しデータ(その2)

前回の振動データで中域のピークが予想外に大きかったので、その原因を調べながら他のスピーカについても対向の振動データを取ってみました。
色々見てみると前回のピークの原因はN77のユニット自体が中域の共振が強めだったことと、スピーカユニットを相互に固定しただけの実験モジュールがそれ自身で全体が鳴り、共振点を持っていたからのようです。
そこで今回は実際に近いエンクロージャに実装済みの対向スピーカの振動を測ってみました。
左上はDCU-F101Gの同相対向駆動(打消し無し) 右上はDCU-F131PPの同相対向駆動(打消し無し)
左下はDCU-F101Gの逆相対向駆動(打消し有り) 右下はDCU-F131PPの逆相対向駆動(打消し有り)
という結果でユニットにはエンクロージャ(ヘッド部のみ)が付いています。エンクロージャの影響であまり振動打消しの効果は顕著には出ていませんが、それでも低域では広い帯域に渡って10dBぐらいの差が有り、打消し効果があるのは確認できます。
それと中域のピークはN77ほどの極端なものは見られず、前回の結果はやはりユニットの影響が大きそうなことが考えられます。
また中域のピークが必ずしも同相駆動の方が良い訳でもなく、ピークは位相も含めて色々な形で現れるようでこの辺がユニットの個性なのでしょう。
あと気が付いた点は振動のスペクトルを見ると必ずしも高調波ばかりでなく色々なモードが立っている様なので、今後この辺の上手い解析が出来れば面白そうです。
それとユニットの振動とエンクロージャの表面振動との相関も興味ありますね。
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