T/Sパラメータによるエンクロージャ製作

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 某掲示板にも書いたがもう少し補足という意味でこちらにもUP。スピーカユニットのT/Sパラメータを計算してエンクロージャを計算できるフリーソフトを実践してみる機会が無かったのだが、ようやくそれらしいことが出来た。まあ今まではスピーカエンクロージャなんかはメーカの推奨箱か適当に作っていたのだが、やはりそれでは自分の経験が次に生かせない。

 まずはT/Sパラメータの測定(計算)だが、最近はメーカ発表のあるものも増えてきたが、最大手の某メーカは国内向けにはまるでその気が無い。メーカ発表があってもそれでもスピーカによってはまるで違う特性の場合もあるのでやはりここは測定してみるべきだろう。ただ実験用は安手のものでも済むが仮密閉箱が必要なのはソフトがあっても測定しようとする時には敷居が高いの確かだ。まあ気合の入ったエンクロージャを作ろうという時は事前の実験が必要ということだろう。
 ソフトのSpeakerWorkshopは裸と仮密閉箱でのユニットのインピーダンス特性を取ると、細かい方法はともかく後はT/Sパラメータを自動的に計算してくれる。この辺は至極便利。後はこれをWINISDproというシミュレータにかける。バスレフで低域の周波数特性をなるべくフラットにするというまあ一番初歩的なターゲットを考えて、このソフトで色々ユニットとエンクロージャ条件を詰めてみると面白いことが解る。
 結果的には図の右下のような周波数特性が計算されるが、これがユニットごとにほとんどベストポイントが決まる。ターゲットが適正かどうかはまあ問題があるが、この条件を縛ると、ユニットでほとんど1点に決まってきて容積が大きくても小さくても、ポートをどう調整しようとあまりそれ以外では良くならない。つまり最低再生周波数はユニットを決めた時点で決まってしまうのだ。それもユニットの口径とは直接関係はないのも面白い。この辺はもう少し自由度があるのかと思っていたのだがやってみると意外な点である。特にエンクロージャの容積が決まっていると必ずしも口径の大きいスピーカの方が低域が延びるわけではない。むしろユニットを選んで最適設計をする方が肝心だ。

 メーカの推奨箱が発表されている場合もあるが、もどうも必ずしもこのベストポイントにはならないのもある。まあ低域特性がフラットでも必ずしも全体として良いかは別なので、この辺はもう少し実践を重ねてみないとどの様な特性を重視したらよいか解らない。メーカはそれなりの理由があるのだろう。

 今回のはこの12cmのウーファがネタだが、シミュレータで見てみると10Lの箱で50Hz程度までほぼフラットに出るようだ。そして計算に基づいて作ってみたのが右上の実測データでほぼ計算と合っているといえるだろう。
 このユニットはウーファの割には高域も延びているのでフルレンジとしても使えそう。写真の箱は昔のものの流用なので汚いが、この特性なら新たに作り直してみようかという気にもなる。
 

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この記事へのコメント

PC_Audio
2008年05月30日 01:13
どうもです。
これって、フルレンジのバスレフでも OK ですか?
前から言っている Fostex の BC10 を 使ったエンクロージャーを夏に向けて作ろうかと思ってます。 
" BS-107 サウンドクーラー " の図面が手元にあるので、これに応用できないモノかと・・・
長岡さん作だけあって、バスレフポートが普通ではないですが(笑)。
ケン
2008年05月30日 07:58
 今回のは普通のバスレフでキチンと計算するとこんな特性が出ましたというものでBC-10の場合は測定してみないと最適設計がどうなるかはわかりませんね。どこかにBC-10のT/Sパラメータでも出ていればシミュレーションができます。
toy
2008年05月30日 12:38
12㎝で50ヘルツ迄これだけ出るとは驚きですね。20㎝か30㎝で楽に出せば(バス用)どんなもんでしょうかね。
ケン
2008年05月30日 22:13
 toyさん初めまして。本文にも書いたのですが、バスレフでの最低再生周波数は口径では決まりません。ユニットの特性で個々に決まるようなのでサイズを大きくしてもパワー的には有利ですが必ずしも良くなるどうかは簡単にいえませんね。この辺が中々理解し難いところです。

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