無帰還アンプ(その7)

前作の無帰還アンプのノイズが多いという問題点はチョークインプットのチョークトランスによるフラックスのノイズと思われます。
対策的にはチョークをシールドするのが早道ですが、今は手元に良いシールド材がありません。そこで姑息ながらチョークインプットを止めるという方法を試してみました。
問題は終段周りの耐圧と発熱ですが、耐圧は既にコンデンサ系は50Vにしてありますし、FET等問題は無さそうです。発熱も余裕の強制空冷ですからこれも大丈夫。ということでチョーク端子をショートするスイッチを付けました。
チョークのショート前後の特性は
終段電圧 前段電圧 ノイズ
チョークあり ±32.2V ±50.5V R 0.87mV
L 6.7mV
チョークなし ±46.3V ±46.3V R 0.27mV
L 0.27mV
ごらんの様にやはりノイズはチョークからのリーケージフラックスが原因でした。チョークから遠いRchでも結構影響が大きいようですので、距離を離しても根本的には対策効果は望めないようです。
チョークなしでは発熱は倍近く(バイアス電流も少し増加)増えますが、まだ放熱器の温度は人肌程度なのでまったく問題ないレベルです。
他の特性も特に問題は無いようです。高域の周波数特性は少し下がりますが、矩形波応答はむしろオーバーシュートが無くなり綺麗になります。
音を聞いてみるとチョークなしでは少し音が開放的になります。音調は少し一本調子ですが高域が延び、元気の良い音になる様です。
流石にチョークありだと渋いく、表情が豊かで落ち着いていますね。
最終段の電源の違いだけですが、音はわずかに違うと思いました。まあ切り替えて楽しむということも出来ますので少し様子を見てみましょう。
この記事へのコメント
私は、トランス全体を銅箔で包み、エリミネーターとドライバー基板との間を銅版で遮蔽して、ノイズ対策を行いました。
バズ音からハム音に変り気にならないレベルに落ち着きました。
抵抗はDALEからIRCに換装しました。12月の三土会に持ち込みます。